認定産業医の更新|必要単位と、実地・Web枠の現実的な集め方

産業医

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※個人や勤務先が特定されないよう、一部の経緯は変更・一般化しています。

日本医師会認定産業医の資格は、取って終わりではありません。5年ごとの更新があり、そのたびに所定の単位を集め直す必要があります。そして、この「単位集め」が地味に大変です。制度の数字はシンプルなのに、実際に集めようとすると、抽選・実地枠・費用といった現実の壁にぶつかります。

この記事では、更新に必要な単位(公式の数字)と、認定産業医である私自身が実際にどう集めてきたか(そして何につまずいたか)を整理します。

更新に必要な単位(公式)

まず制度の数字から。公益財団法人産業医学振興財団の公表情報(執筆時点)では、更新の要件はこうなっています。

  • 認定の有効期間:5年
  • 更新に必要:生涯研修 20単位以上
  • そのうち、更新研修・実地研修・専門研修を、それぞれ1単位以上含むこと
  • Web研修で取得した単位は、更新時に最大5単位までしか算定できない

つまり「5年で20単位、ただし3区分を各1以上、Webは5単位が上限」。数字だけ見ると難しくありません。問題は、この単位をどこで、どうやって取るかです。

(※制度・単位数は改定されることがあります。実際に更新手続きをする際は、必ず産業医学振興財団の公式情報で最新をご確認ください。)

研修はどこで探すか——まず公式の「研修検索」から

具体的な集め方に入る前に、探し方の起点を押さえておきます。講習会や研修を探すなら、日本医師会認定産業医の公式「研修検索ページ」を使うのが実務的です。全国で開催される認定産業医研修を、ここから探せます。以下で紹介する講習会も、基本はこの検索から見つかります。

まずはこのページをブックマークして、定期的にチェックする習慣をつけておくこと。これが、抽選枠や、取りにくい実地研修の募集を逃さないための、いちばん確実な一歩です。単位が足りるか不安なら、更新期限の1〜2年前から、ここを見て動き始めるのがおすすめです。

集め方①:3日間で全単位を取れる講習会(ただし抽選)

毎年1回、東京と大阪で、3日間かけて更新に必要な単位をまとめて取得できる講習会が開かれます。一度で終わるので理想的なのですが——抽選の倍率が高い

正直に書くと、私はこれまで3回申し込んで、一度も当たったことがありません。人気枠なので、当たればラッキー、くらいに考えておいた方がいいです。これを本命にして「当たってから動く」と、更新期限が近づいて慌てることになります。

集め方②:全国各地の「1日6単位」講習会(こちらも抽選だが地方が狙い目)

より現実的なのが、全国各地で開かれている、1日で6単位を取得できる講習会です(全国の講習会情報はこちら)。これも抽選ですが、東京は倍率がそれなりに高い一方、地方は狙い目です。

そして重要なのが、この6単位の講習は、更新研修・実地研修・専門研修をそれぞれ1単位以上まとめて取れる構成のものが多いこと(回により内容は異なるので開催要項の確認は必要です)。次に述べるとおり、必須3区分のうち実地が特に取りにくいので、この講習を一度受けておくと、取りにくい区分をまとめて埋められます。

つまずきポイント:実地単位が取りにくい

必須3区分のうち、多くの人が苦労するのが実地研修です。座学系の更新・専門研修に比べ、実地は開催枠が限られ、埋まるのも早い。「気づいたら実地だけ足りない」というのは、更新でよくある詰まり方です。

だからこそ、②の「6単位で3区分を一度に取れる講習」の価値が高い。取りにくい実地を確保できる機会として、地方開催も含めて早めに1枠押さえておくのが、私の実感では一番安全です。

地方の講習には、もうひとつの利点がある——費用

産業医の一社目の壁の記事でも「地方には別の利点がある」と書きましたが、講習についても同じことが言えます。それは費用です。

私の印象では、地方の講習は無料のことが多い。一方、都内の講習は基本的に有料で、複数回受けると結構な出費になります。倍率の低さに加えて費用面でも、地方開催は狙う価値があります(費用の有無は主催・回によるので、申込前に要項で確認してください)。

Web研修:取りやすいが「5単位まで」の壁

近年はWeb研修(オンラインの研修会)も増えています。会場に行かずに受けられ、受講枠も多く用意されていて、取りやすいのは確かです。更新単位に不安があるなら、積極的に情報をチェックする価値があります。

ただし冒頭の公式要件のとおり、Web研修で取れる単位は、更新に使える20単位のうち最大5単位まで。ここを勘違いして、Webだけで単位を積み上げても、5単位を超えた分は更新に算定されません。**「Webで5単位、残りは対面で」**という配分を前提に計画するのが正解です。

まとめ:更新でつまずかないための現実的な戦略

  • 要件は5年で20単位(更新・実地・専門を各1単位以上/Webは最大5単位)
  • 3日間の全単位講習は抽選倍率が高い。当てにしすぎず、複数の手段を並行する(私は3回応募して未当選)
  • 1日6単位の講習は、取りにくい実地を含む3区分をまとめて取れる地方開催は倍率が低く、費用も無料のことが多い——狙い目
  • Webは5単位まで。取りやすいが上限を意識して配分する
  • 抽選は運。更新期限の1〜2年前から、早め・複数応募で動くのが結局いちばん安全

更新は、知ってさえいれば恐れる作業ではありません。ただ「実地が取りにくい」「抽選がある」という現実を知らずに直前で動くと、詰みます。早めに一度、地方の6単位講習を押さえる——それだけで更新はぐっと楽になります。

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この記事を書いた人 医師のキャリア迷子相談室。医師・医学博士・日本医師会認定産業医。大学病院勤務を長く経験したのち、クリニック勤務へ。転職活動の実体験はnote「医師転職体験記」で連載しています。

※認定産業医制度の要件・単位数・研修情報は改定されることがあります。本記事は執筆時点の情報と個人の経験に基づくもので、最新かつ正確な情報は日本医師会・産業医学振興財団等の公式発表をご確認ください。

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